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知波単学園 特二式内火艇カミ 作ります!! その9

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 前後のフロートが組み上がったので、車内インテリアの塗装と組み立てに移りました。ステップ4にて取り付けを保留にしていたフロート連結ハンドルと燃料タンクのパーツを上図のように塗装しました。
 Sさんの教示によって、フロート連結ハンドルは黒色、燃料タンクは白色であることが分かっていますので、前者をミスターカラーの33番つや消しブラック、後者を62番つや消しホワイトで塗りました。

 

 塗装したパーツを全て組み付けました。さらにSさんの教示によって前照灯操作把もブラ材で再現しました。前面の予備機銃架の中央に斜めに付いている部品がそれです。これで前照灯の向きを換えるわけで、グリップは木製だったそうです。それでグリップを43番のウッドブラウンで塗りました。

 

 さらにSさんの教示によって、左右側面補強桁の前面に付く手摺をブラ棒で追加しました。

 

 左右側面補強桁の前面に付く手摺は、上図のような形状です。左右側面補強桁の基部に沿って縦に付けられ、支柱は金属で手摺本体は木製だったそうです。軽量化対策のためにハンドルやグリップなどは木製としたわけですが、Sさんによれば「あんまり意味が無かったと思います・・・」でした。
 この縦の手摺には、乗員がつかまったり、応急修理用の工具袋などをぶら下げたりしたそうです。

 

 棚まわりの状況です。以前に述べたように棚には舵ワイヤーと転把の収納ケースと、ビジョンスリット用の防弾ガラス予備のケースとが収められていたそうです。これと対の位置には無線機が備え付けてあったそうですが、Sさんの教示によれば、九七式中戦車の無線機が転用されていたそうです。
 そこで、無線機はファインモールドのパーツを使用することにしましたが、この時点ではまだ塗装もしていなかったので後の工程に回しました。

 

 燃料タンクです。天井から吊り下げる形になっていますが、Sさんによれば、艇床に近い所にあると浸水や波浪の影響を受けやすくなるため、出来るだけ高い位置に取り付けるべく、そうなったのだ、ということです。タンクの一番底に付いているバルブに送油ホースを取り付け、エンジンの給油口まで繋いだのだそうです。そしてこの場合、必ず左側のタンクから使用したそうです。

「・・・なんで左のタンクから使ったのかといいますとね、燃料タンクは航行時にはバラストの役目も果たしておったんですね・・・、それで機関兵が定期的に送油管を付け替えて送油するわけです。それをまず左タンクから送油する。その理由は、いざという時に面舵の効きが良くなるからですよ・・・。海軍のフネは基本的にスクリューが右廻りですからね・・・、推進力は右がやや強いんですよ。だから面舵のほうが取舵より効きが早い。それでカミの場合はタンクにバラスト機能を持たせてありましたからね、まず左タンクから使って燃料を減らして軽くするんですが、そうなると艇は右にやや傾き加減になりますね。それで面舵をとれば回りやすくなる。小回りがきくんですよ・・・」
「・・・逆に右のタンクが軽くなっていて、取舵をとってもですね、面舵のときよりはちょっと舵が効くのが遅れるんですね・・・。だからどうしても戦闘時の回避転舵は面舵が多くなる。そのために普段から燃料は左タンクから使い始めて、定期的に左右の送油管を付け替えてなるべく左右のタンクの残量を均一にしてゆくわけですが、左から使い始めてますから、だいたいは左のほうが残量が少ない。艇もやや右傾しとるわけですよ・・・」

 この措置が、敵機の襲撃を受けた際に面舵による回避運動の効果を左右したそうです。Sさんの話によれば、敵機のパイロットはだいたい右利きが多かったようで、襲撃のときは多くが左旋回して肉薄してきたそうです。それで機銃を撃ち、携行爆弾を投下してくるのですが、多くはカミの前方の対空機銃を警戒して後ろから狙ってきたそうです。その際にカミが面舵をとれば、敵機は左旋回の流れになっていますから左にブレてゆき、弾も回避出来たというわけです。

 

 操縦席まわりの再現状況です。以前に述べたように、操縦装置は九七式中戦車と共通であったそうなので、ファインモールドのインテリアパーツをそのまま転用して、Sさんのアドバイスに従って取り付けました。中央のギアボックスの左に付く駆動軸切替装置もSさんの記録メモ図通りに再現しました。そのレバーは右、装輪走行時の位置にセットしてあります。

 

 Sさんによれば、機関兵がエンジン前の推進軸切替レバーを前に倒して駆動軸をスクリューから起動輪へと繋ぎ、次いで甲板上を前に移動してギアボックスの左に付く駆動軸切替装置まで行き、そのレバーをゆっくりと左から右に回すと、そこで初めて駆動軸からのギアが起動輪の軸にかみ合わさって起動輪が回り始める、という流れだったそうです。

 実は、試作段階ではこの駆動軸切替装置が無かったのだそうです。しかし試験の結果、エンジン前の推進軸切替レバーを切り替えた途端にギアボックスに無理な力がかかって故障が相次いだため、改善策としてギアボックスにも切替装置を入れて、自動車のクラッチのような形でゆっくりギアをつなぐ方式にしたところ、良好な成績をおさめたため、これで正式採用となったのだそうです。
 この話から、カミはフロートだけでなく内部の機構に関しても試行錯誤を繰り返していたことが分かります。

 

 エンジンを仮置きしてみました。これでインテリア関係は八割ほど仕上がったことになります。

 

 ステップ7の工程のラストとして、車体前面に取り付けるM19の代わりに、上図の不要パーツB19を準備しました。組み立てガイドはフロート装着時の姿に作るため、フロートの連結パーツもM19になっていますが、私の製作では前部フロートのみ着脱可とするため、フロートを切り離した際のカニ形ハサミの形状になっているB19を使いました。

 

 パーツB19を取り付けました。これで前部フロートを外した場合の車体前面の外見が整いました。  (続く)

 


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