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塗装工程に進みました。最初にサーフェイサーを薄く吹きつけて、各所に異常がないかチェックしました。パテや接着剤の跡が目立つところはサンドペーパーでヤスって再度表面を整えました。
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今回は、モデルグラフィック2013年4月号のガルパン特集記事の中の一つ「オリーブドラブ大作戦」にておすすめのシャーマンカラーとして採用された、タミヤの「エアモデルスプレーAS14」を使用しました。劇中でのケイ搭乗車とアリサ搭乗車のカラーにほぼ一致する色です。缶スプレーなので、軽く横に流しながらサッと吹きつけるだけで塗装が出来ます。
出来上がった色は、まさに劇中車の色調そのものでした。燃えるような緑の色です。
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次に、転輪のゴム部分をポスカの黒で塗りました。転輪は全て可動にしてありましたので、ポスカのペン先をあてて固定し、転輪を回すだけで塗れました。片側の六輪を塗るのに3分もかかりませんでした。筆塗りより楽で綺麗に塗れます。
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全ての転輪をコロコロ回して塗りました。この「ポスカで転輪コロコロ塗装」は、以前にウサギさんチームのM3中戦車リーを制作した際にもやっています。アメリカ戦車に最も適した方法だと思います。
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車外装備品を塗りました。金属部分はミスターカラーの28番の黒鉄色、木製部分は43番のウッドブラウンで塗りました。
右側側面にセットされる長パールは、本来は黒鉄色のはずで、アリサ車の同部品も黒鉄色なのですが、ケイ搭乗車では木製部分のカラーになっています。テレビ版仕様でも同じなので、たぶんそれをそのまま引き継いでいるのでしょう。
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ライトは、前部は全て8番のシルバー、後部の左側の上半分のみ47番のクリアーレッドで塗りました。ハンマー以外の装備品は、車体色と同じですので、塗る必要がありませんでした。
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砲塔の防盾左側に突き出ている同軸機銃を、28番の黒鉄色で塗りました。
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履帯は、まず全てを28番の黒鉄色にて吹き付け塗装しておき、一日置いて乾燥させました。そして履帯ゴム部分をポスカの黒で塗りました。
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履帯をセットしました。ドラゴンのベルト式履帯は柔らかい材質のためか、ある程度の伸びしろがあり、車輪への装着も難なく出来ました。
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デカールは、最初の予定では、上図のモデルカステンのガルパンデカールセットのVol.1を使うことにしていました。
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上図のマーク群のなかの、M4の字の左右の二種が、ケイ搭乗車用のデカールとして2輌ぶん含まれています。
しかし、劇中車のマークの寸法を車体との比率にて計算したところ、サイズが1ミリ小さいことが判明しました。
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そこで、サンダースチームのマークが多数含まれているVol.4の方を引っ張り出して調べてみました。
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すると、上図の右下隅に縦に二枚並ぶデカールが、ちょうどピッタリのサイズであると分かりました。そこで今回はこちらのデカールを車体側面左右につけることにしました。車体前面左側につける小さいデカールは、Vol.1にあるものを使用しました。
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デカールを貼りました。
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反対側から見ると、こんな感じです。
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そして、ケイ隊長自らが完成車輌の納入に立ち会いました。
ケイ 「いつみてもナイスよ!! やっぱりシャーマンがナンバーワンね!!」
(そうですかねえ・・・)
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ケイ 「今回は、劇中車をバッチリ再現出来たんじゃない?軽く100パーセントはいくわね」
(いえ、90パーセントぐらいかと・・・。劇中車はもっとフェンダーと履帯との間があいてますので・・・)
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ケイ 「一般的にはファインモールドの公式キットで作るって話だけど、今回のコレはドラゴンのキットで作ったんだってね。作るのは、難しかったの?」
(いえ、思ったよりも楽でした。幾つかの修正だけで済みましたし、改造が全くありませんでしたから・・・)
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ケイ 「VVSSも初期型でズバリね、ベリーナイスよ!!」
(これはもう、ドラゴンキットの長所の一つですよ。ただ、履帯パーツがですね・・・)
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ケイ 「ちゃんとT字形シャックルもついてるわね。パーツは無かったんじゃないの?」
(はい、自作で適当に作りました。パーシングのキットに同じような部品があるので参考にしました)
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ケイ 「側面観も決まってるわね! 負ける気がしないわよ!」
(いや、側面の砲弾ラック辺りを狙われたら・・・勝てる気がしないんですが・・・)
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ケイ 「さあ、火力優勢ドクトリンよ。1両の敵戦車に、10両の戦車をぶつけるの」
(まだ1両しか作ってませんけど・・・)
ケイ 「ホワーーイッ?」
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かくして、サンダース大学付属高校チームのM4シャーマン75mm砲搭載型、いわゆる無印のM4が劇場版仕様にて完成しました。製作日数は、2016年7月14日から7月20日までの7日でした。組み立てに5日、塗装に1日、塗装後の組み立てとデカール貼り付けに1日かかりました。
キットはドラゴンの製品を使いましたが、ファインモールド発の公式キットと違って最近の製品であるため、精度も再現度も抜群でした。劇中車との相違点も僅かですから、作業は修正がメインで、大幅な改造はありませんでした。VVSSも初期型パーツが揃っており、また不要パーツの幾つかはサンダース大学付属高校チームの他の車輌の製作に使えるものがあります。T48型の履帯パーツを調達する必要がありますが、それさえクリアできれば、けっこう有難味のあるキットだと感じました。
気になった点をまとめますと、前部フェンダーだけがエッチングパーツになっている、誘導輪の据え付け位置がやや内側にずれる、前部フェンダー内側に隙間が出来る、の三つが挙げられます。
二番目の誘導輪の据え付け位置のずれは、軸部のパーツの長さが不足しているためでしたが、それに気付いたのは接着後に履帯パーツを仮につけてみた時でしたので、修正のしようがありませんでした。
三番目の前部フェンダー内側の隙間に関しては、エッチングパーツでこれを塞ぐ指示があったのですが、そのパーツが劇中車に無いため、結果的には塞がないままとなりました。ですが、前部フェンダーがエッチングパーツでなくプラパーツであれば、隙間は生じなかったと思われます。
また、車体後部の冷却用空気吸入口にメッシュを付ける予定でしたが、公式設定資料図および劇中シーンを調べたところ、吸入口は真っ黒でメッシュのようなものは見えませんでした。公式キットのパーツでもありませんので、ガルパンの3Dデータでは省略されているのかもしれません。とりあえず、何もつけないままにしました。
ケイ搭乗車に関しては、いずれテレビ版仕様のタイプを公式キットにて作ってみたいと考えています。そちらの方がガルパン独自の要素があるため、今回のようにほぼストレートで作れる、というわけではなさそうです。劇場版仕様が、いかに既存キットに近くなっているか、が改めて感じられた今回の製作でした。