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継続高校 T34/76(フェイズエリカ仕様) 作ります!! その1

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 ガルパンコミックの「フェイズエリカ」には、現時点でアニメ本編に出ていない継続高校チーム隊長が奇抜なスタイルで登場し、独特の言動と独創的な作戦指揮ぶりを示してなかなかに魅力ある存在となっています。名前はトウコであるそうですが、大洗へよく行っている方なら、元ネタが分かるでしょう。
 上図は、「フェイズエリカ」第3巻のカラーページの4項目で、下のコマにはトウコの搭乗車も描かれます。

 

 トウコ隊長の搭乗車は、T34/76であることが、第2巻67ページ以降の描写からも分かります。62ページからのチーム保有者勢揃いシーンでは、赤枠内に見えます。各車輌のなかでみると、車体色が明るめであるようです。

 

 トウコ隊長のT34/76のディティールは、第3巻巻末の「登場車輌」の項に示されます。各部の特徴からT34/76の1943年型が原型であることがうかがえます。これをフィンランド軍仕様に改変したのが、上図の劇中車です。

 

 史実での同型車輌です。各所に細かな差異はあるものの、全体としては良く似ていますので、トウコの搭乗車はこういった実在車輌がモデルになっていると思われます。プラウダ高校チームのT34/76と異なる点は、砲塔にキューポラが設けられることです。
 また、フィンランド軍仕様の特徴としては、左右フェンダーの前後端をカットする点、フェンダー前部に起倒式カバー付きのライトを設ける点、などが挙げられます。

 

 さらにトウコ隊長の搭乗車は、カラーページにも出ていますので、車体の塗装色がよく分かります。あまり他に例を見ないパープル系のカラーも用いての、斜めのストライプ模様にまとめているようです。
 また、車体の左右側面に丸太をくくりつけているのが分かります。フィンランド軍の車輌は丸太を装備して、雪道や泥道にはまりこんだ際の脱出用応急材として使用していたそうです。タミヤのキットにも丸太のパーツがついているので、それを参考にして劇中車の姿が成立したもののようです。
 この丸太装備のため、他の装備品を全て降ろしてある、というのがトウコ隊長のT34/76の外見上の特徴と言えます。模型的にはシンプルになっているわけで、そのぶん作り易そうです。

 

 そうなると、模型での再現工作においても丸太の装備状況は重要なポイントになります。上掲の、コミックス第3巻収録の第10話の扉絵にて、その様子が細かく描写されていますので、参考になります。

 

 使用するキットは、去る8月20日の岡山真備のエラヤへの買物支援にて得た、水没品九割引きセール購入品4点のうちの一つでした。御覧のように水害で店舗が完全に水没し、全ての商品が泥水に数日間浸かってしまったなかの1点です。
 箱はボロボロのヨレヨレでしたが、紐で縛ってあるために中身はそのまま保たれていて、購入後の点検においても不足のパーツはありませんでした。

 このキットはドラゴンの製品ですが、古い時期の発売品であるため、これまで大阪や京都などの模型店などでは見かけたことがなく、エラヤでの買物中に見つけて、これは継続のトウコの車輌のタイプだな、と気付き、作ってみるのも面白そうだと思い、買っておいたものです。

 

 購入後すぐに泥を洗い流して消毒し、日干しして殺菌乾燥させましたが、組み立てガイド図は御覧の通りでした。表紙の泥はなかなか落ちず、無理にとろうとすると紙が破れそうなので、この程度にとどまりました。開いてみたら中のページは割合に無事でした。
 しかし、そのまま使うには色々と不安もあったので、ホビーサーチさんの同一商品の案内記事から組み立てガイド図をダウンロードしてプリントアウトして使用しました。

 

 ランナーパーツは全て、重曹とクエン酸を溶かしたぬるま湯に三時間浸け置きしてから洗剤をふりかけてブラシ洗いしました。半日日干しして乾燥させたのち、もう一度水洗いして、エタノールスプレーをまんべんなく吹き付けて消毒しました。

 ここまで念入りに洗いや消毒を重ねたのには理由があります。周知のように、水害発生時の泥水というのは、自然からの流水だけでなく、生活排水や汚水もみんな混ざるため、細菌類が蔓延して伝染病の原因にもなりかねません。さらにカビ臭のような匂いがついているので、それも落とさないといけません。重曹とクエン酸を用いたのはそのためでした。

 ですが、泥は完全に落ちておらず、乾燥とともにじわりと浮いてくるのでした。これらは除菌用ウエットシートで大体を拭い取りました。

 

 かくして、水没当時の泥の残滓をさらにウエットシートで拭き取りつつ、消毒しながらの組み立て作業に取り掛かりました。岡山真備の水害で亡くなった方々の事を思い、まず黙祷しました。ついで、今も苦労されている方々の事を思って、その方向に向かって一礼しました。
 それから、ランナーパーツを使用分と不要分とに寄り分け始めたのでした。  (続く)

 


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